ジョブ理論に関する考察その1

ジョブ理論open in new window という本を読みました。

文量自体は多くないのですが、

じっくり考えたいポイントも多く、

内容を自分の中に取り込むのに時間がかかりそうなため、

何回か考察をしていきたいと思います。

何回続くかは不明です。

ジョブ理論とは

ジョブ理論は「片付けたいジョブ」があるから顧客はその製品を買う、

つまり、どんなジョブを片付けたくてその製品を雇用するのかを理解することで

イノベーションを再現可能にしようとする理論です。

本の内容では例だとミルクシェイクとドライバーの例があげられていたのですが、

自分がその状態じゃないとあまり実感が湧きづらいのでもっとわかりやすい例を探してみました。

Netflix「ライバルはフォートナイト。すでに負けている」と発言。TV画面の奪い合い激化open in new window

こちらの記事で紹介されているのは

Netflixのライバルは、同じ動画配信サービスのHuluやAmazonPrimeビデオなどではなく、

当時大人気ゲームのフォートナイトであるという発言をしたというものです。

本文の中ではテレビ画面の占有率といった表現になっていますが、

ジョブ理論に照らし合わせると違った様子が見えてきます。

Netflixとフォートナイトは同じジョブを片付けようとしているわけです。

つまり、余暇の時間に楽しいことをしたいというジョブを片付ける製品を雇用したい

そのために雇用しようと考えるものは、テレビ、ゲーム、スポーツ、旅行なども、もしかしたらライバルになるかもしれません。

共通のカテゴリで競合というのは決められないのです。

ジョブを基準にすると、本当のライバルがわかってきます。

デジカメのライバルは、コンパクトデジカメ、一眼レフなどではないのです。

携帯のカメラ機能が強力なライバルです。

カーナビのライバルは、他社のカーナビなどではないのです。

携帯のナビアプリなのです。

コンパクトカーのライバルは、同じ業界の車ではないのです。

カーシェアリングサービスなのです。

製品が片付けるべきジョブを基準にして考えると

どうやって差別化を測っていけばいいかが見えてきます。

データはなぜ顧客がその製品を買ったのかの情報を教えてくれない

もう一つ、個人的に大きな指摘だと思ったのは

データはなぜ顧客がその製品を買ったのかの情報を教えてくれない

というものです。

世の中はビッグデータ活用に躍起になっていますが、

全く逆のことを言っています。

実感としても非常に正しいと感じています。

先日、私はゴキブリホイホイを買いました。

これは私が男性だからではなく、

一人暮らしだからでもなく、

ジムに通っているからでもありません。

ただ単に、「手軽に家のゴキブリを消し去りたい」というジョブを解決したいがためにその製品を雇用したのです。

このジョブを解決できるのであれば、ゴキブリホイホイである必要はありません。

もし、ゴキブリを寄せ付けない匂いや電磁波が出る機械があれば、

買っていたかもしれません。

少し脱線しますが、今、検索したところ、ゴキブリにベチバー精油やアロマが有効らしいので買いました。

この時点でゴキブリホイホイのライバルは、他の駆除商品ではなくアロマになったわけです。(私だけかもしれませんが)

ただ、ゴキブリを寄せ付けない、駆除するという意味では、ゴキブリホイホイなどは

とても特化したブランディングができています。

ベチバー精油やアロマが「ゴキブリを寄せ付けない精油・アロマ」として売り出し始めた場合、

破壊的イノベーションが起こる可能性はあります。(効果があればですが)

データが有効な場合もあるかと思いますが、

多くは「片付けたいジョブ」として考えると、非常にしっくり考えることができ、

非常に自然なストーリーを描くことができます。

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Contributors: Tomoya Suzuki